秋が深まった11月の森林公園 今回は、熊押し滝、ぶなの平、奥ぶなの平、すずのこ平、千軒平、もみじ滝といったコースをとった。5時間近くのアップダウンに山歩きの充足感を味わう。 先ずはいつもどおり、オオヤマザクラを見上げた。桜はすっかり葉を落としていたが、背景の黄葉が輝いて見えた。

管理棟より30分ほど奥に進むと熊おし滝につく。黄葉しているというより、10月末の風雨が緑葉をもぎ取ったという感じがする。滝より先がちょっとした登りになり、ぶなの林へと誘い込む。

奥ぶなの平から先、すずのこ平までは標高差は100ｍ程度だが結構登っているという感じがする。木々の色合いも黄から茶へと変化する。登りきったところ、落葉した梢の間から遠く大山の姿が垣間見える。 奥ぶなの平から40分、正面の視界に期待通りの大山が飛び込む。右に目を転じると遥かに海岸線と日本海が霞んでいる。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　すずのこ平


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　大山遠望

千軒平らまで、風景を楽しみながら約2時間の尾根歩き。 尾根の左手は岡山県北の山地が、右手には鳥取の山々が日本海へと続いている。

2時30分過ぎ、千軒平着　。午後になっても大山の展望は素晴らしい。山々を眺めながらここでしばし休憩する。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　千軒平

すでに山は初冬を迎えている。 そんな中、陽だまりではリンドウが風に揺れ、蝶は残り少ない花の蜜を吸っている。

落ち葉を踏みしめ、もみじ滝へと下る。雨水で湿り滑りやすくなった山肌は登りよりもくだりを慎重に。 もみじ滝は滝の上を覆う紅葉からその名が付いているのだが、ここで美しい紅葉を見たためしがない・・・。 いつもうっそうとしていて日当たりが悪いせいだろうか。

滝から数分、湿原に出る。まだ4時前だというのに夕方の光が枯れすすきを照らしている。 10日違えばこうも秋は進むらしい。昨秋、まだ白色をとどめていたゴマナは灰色に枯れ果て、目を瞠るばかりだったもみじの橙色の葉はすっかり落ちている。

公園内に咲き誇った野草はもうすっかり地上から消え、眠りの季節に入ろうとしている。 枯れ果てた姿にもまたそれぞれに風情を感じる。

森林公園表紙