新加納(間の宿）から鵜沼宿まで 2017年７月２日 しばらく途絶えていた中山道の旅。今回は梅雨の晴れ間を期待して美濃路の続きをたどった。 加納〜鵜沼〜太田〜伏見〜御嵩まで、交通量の多い国道歩きになってしまうことや季節を考慮して、今回は街道にそって走る名鉄をうまく利用し、おもに宿周辺を歩くという旅にした。 前回の加納宿から鵜沼宿へは国道を１７．４キロの道のりだが、この日は、間の宿(立場）である新加納を少し見た後、名鉄各務線に乗って、鵜沼の一つ手前の駅、羽場で途中下車、宿の西見付から東見付けを中心に、うとう峠の一里塚を目指した。 先ず新加納駅で下車(11:26AM) 近くにある日吉神社へ。 境内に入ると賑やかなカエルの声がする。この神社内は狛犬ならぬ狛カエルが！往時は境内に瓢箪池があり沢山のカエルが生息していたという。今も社左手の林下に沢山いるのだろうか。鳥たちのえさ場にもなっているらしくアオサギやゴイサギが何羽も飛び交っていた。 中山道に戻り、江戸側から立場の中心へ進む。 突き当たり右角が梅村屋茶屋本陣跡に当たるようだ。 先に進むとY字路になっていて左へ進む両側に新加納の一里塚の真新しい石碑が建っていた。 中山道と彫られた標識に従って左の道へ進む。このあたりは枡形になっていて、突き当たりに今尾医院の大きな看板が見える。医院前には、高札場の石碑。 今尾医院はこの地を治めた旗本坪内氏の御典医であったという。道を左奥に進むと新しい建物の裏手にいかにも旧家といった立派な門構の建物があった。 更に、近くには、尾張徳川家の宿所となったという善休寺や坪内利定の菩提寺、少林寺があった 善休寺には葵の紋が各所にあり寺の格がうかがえた。 今尾医院前へ戻り、まっすぐ北方向へすすみ、突き当たって西(左）へ進めば加納へ至る中山道だ 新加納駅へ戻り電車に・・・ 新加納から９駅目の羽場で下車（13：25PM） 駅から北へまっすぐ進み街道に出ると津島神社 農村歌舞伎の舞台となった｢皆楽座」がある。回り舞台になっているというので内部を覗いたが・・・カーテンで覆われ見ることができなかったが、奈落もある本格的造りの様だ。 衣装塚古墳　：　円墳としては県下最大、古墳時代前期後半のものらしい。 西見付跡の標識があった、その土手に上がると、大きなハス池がありカルガモの親子も・・・ 犬山城遠望 ★鵜沼宿 14：30PM 石碑あたりから前方へ目をやる いよいよ、宿らしい町並みが始まる。街道右手に４軒連なって商家が並びその前を小川が流れ、いい雰囲気だ。鵜沼宿は岐阜県各務原市に所在する。１８４３年の記録では家数68、本陣１、脇本陣１、旅篭25とある。明治２４年の濃尾大地震により江戸時代の建物は焼失したが徐々に宿場景観が再現されてきたという。 商家が途切れたあたり、二の宮神社の鳥居の傍に坂井脇本陣が復元されている。中に入ったがまだ木の香りがする。上段の間を持つ立派な造りだった。 脇本陣の隣に芭蕉句碑。芭蕉は脇本陣に３度も滞在し、多くの句を残したという。 その向かいに｢美濃地酒篝火」の蔵元、菊谷酒造がある。明治４年の創業ということだった。 本陣の遺構はない。 ただ、跡を示す木札のみ。江戸時代初期、鵜沼宿が置かれて以来、桜井家が務めた。 本陣、問屋、庄屋も兼ねていたといった内容が書かれていた。 町屋館(旧武藤家）中庭を囲むように主屋、離れのある立派な屋敷で、資料館になっている。 宿を振り返る。町屋館の隣でひと休み。コーヒーのなんと美味しかったことか・・・ 大安寺川。大安寺大橋がかかり欄干や常夜灯も復元され、江戸情緒を感じさせる。 川を渡って右手に問屋場跡の説明板。中山道交差点を渡ると尾州領傍示石が立っている。 道を挟んだ左手に高札場があった。大きな文字で定めが書かれている。読んでみると、宿内での商売の掟、人足の代金、切支丹を訴えたら褒美をつかわすなど、なかなか興味深い。 宿の東口へと道は続くが往時の面影はない。ほどなく自然石の標識の立つ三叉路へ当たる。 表示に従って左に進むと地蔵堂が見える。その前が宿の東見付。お地蔵さまにも方向を示す文字が刻まれていた。 ここで、道は直角に左へと曲がり、赤坂神社を左に見て坂道を登る。 ふりかえるとここからも正面に犬山城を遠望できる。天王坂と呼ばれるようだが、周囲は住宅地。 登りきった所に雨水調整池｢合戸池]が水をたたえている。更に進むと、赤松林が始まり「うとう峠」へと差し掛かる。 石畳の道がしばらく続くようだ。右の入ると、「うとうの一里塚」　標識が立っている。 目的のうとう峠一里塚に到着。中山道は更に木曽川沿いへと森の中を抜けるのだが、 時刻は16時、雲いきもあやしくなってきたので、来た道を引き返し高山線、鵜沼駅へと向かった。 この日は、二駅先の美濃太田で宿泊 ＜本日の歩数、20709＞ 犬山城 おことわり：浮世絵画像は合同出版「木曽街道六十九次」より。