（鴻巣宿）～桶川宿～上尾宿 10月10日午後 桶川宿～上尾宿 鴻巣宿から桶川に向かって、途中の北本駅からタクシー移動 桶川宿 タクシーに乗ること10分ほどで桶川宿(京)西口に到着 この先に江戸日本橋より十里めという桶川の一里塚があったはずだが明治9年にとり壊されたらしい。 そろそろ、おなかもすいてきたので近くにあるはずの麺処福屋へ行ってみたが改装中とのこと。そんなこともあろうかと予備に買ってきたコンビニ弁当を広げる場所を探そう。 稲荷神社 少し行った先、左に、稲荷神社への道が伸びている。300mほど入っただろうか。思いがけなく立派な神社だ。桶川宿の総鎮守で拝殿前に安政4年に紅花商人24名が寄進したという石灯篭があった。 境内も広く、日陰でのんびりお弁当を広げた。 木の洞に祀るなんて楽しい思い付きだ。 再び街道に戻る。桶川宿の碑「左上尾宿三十四町」「右鴻巣宿一里三十町」と刻まれている。 街道右手に中山道宿場館があったので立ち寄ってみた。宿の歩き方や往来手形の印刷物そして紅花の種をいただく。館長さんによると、本陣も新しい住宅の陰になってしまい見ることができないし、いろんな遺構は失われているが古い建物もいくつかありますので見ていってくださいとのことだった。 桶川宿について・・・ この宿は紅花の産地として繁盛し紅花は京へ、重ねて藍の栽培も盛んで「武州藍」と呼ばれ江戸へ送られた。宿内の家数は紅花の商いと共に増え続け1635年には58軒だったものが1843年には347軒にも増えている。 その当時は本陣1、脇本陣2、旅籠36、宿内人口は1444であった。宿長は約1kmとのこと さて、本陣は宿場館の道を挟んだ向かいにその門をとどめていた。加賀前田家の宿所であった本陣は府川家が務め、上段の間、次の間、湯殿なども残しているということだが、館長さんの言われた通り、門の中をのぞくと新しい家が立ちふさがりその外観さえも見えなかった。 宿場館の向いあたりの笠武脇本陣も隣の内田脇本陣も見当たらなかった。 宿場館の並びにある趣のある建物は旧旅籠で今は小林木材工業の看板がかかっている。同じ建物となりに喫茶店があり、のぞいてみるとガラスの器なども販売している。その中に倉敷ガラスの小谷さんの作品もあったのは驚きだった。 蔵造りの商家明治期の建物で紅花を商っていた。屋号を「木半」という 1854年創業の老舗「島村老沙茶舗」 桶川駅前を過ぎ少し行くと 武村旅館・・・寛永5年（1852）築の旧旅籠で国の有形文化財。 東木戸跡の碑。桶川宿の東口。 その先、200mほど行くと桶川市と上尾市の境になる。 道なりに1キロほど行っただろうか、久保西の四つ角に黒板塀が見えてくる。かなり古いがその中には立派な建物が見える。 塀に沿っていくと左へ入る私道があり、その先に立派な門。 武州紅花の仲買で財を成したという須田家だ。 上尾宿 須田家の先、北上尾駅への分岐を右に見てまっすぐ伸びる道を1kmほど進むと 中山道上尾宿の碑。そこが宿の京口で傍らの解説板の屋根には鐘馗が祀られている。大火に見舞われた上尾宿にはあちこちに鐘馗が祀られるのだという。 傍の柿の木には赤く実った柿の実が美しい。ご夫婦で選定をされていて、いかがですかと柿を下さる。みずみずしくておいしそう。しばし、立ち話。 道沿いにはこのあたりの銘酒であろうか「文楽」という名の酒の蔵元があった。 庚申塔1745年建立の青面金剛像の足元には二鶏と三猿が浮き彫りされている。年月を経た石仏には風情がある。 500mもいけば上尾の中心街。 駅を右に見て通り過ぎると、ビルの谷間に神社。 氷川鍬神社は1632年の創建で上尾宿の総鎮守。五穀をつかさどる農耕神として小さな鍬2丁が祀られているという。 この周辺に林本陣と三軒もあった脇本陣があったはずだが、今はその跡碑も見当たらない。ただ本陣跡と刻まれた立派な石板が氷川鍬神社の傍の歩道にあった。 上尾宿は・・・ 日光へと通じる岩槻道や川越を控えた遊興地で飯盛旅籠が多かった。2と7の日には市が立ち、日本橋を七つ立ちした旅人の一泊目の宿として大いににぎわった。ただ、火災が多く、安政7年には宿並みのほとんどを焼く大火に見舞われたという。1843年当時の家数は182、本陣1、脇本陣3、旅籠41、宿内人口793、宿長は約1.1キロであった。 この日の予定は上尾駅までであったが、早く着いたので上尾の一里塚辺りまで行ってみた。両塚があったといわれるがそれも姿を消していた。上尾陸橋まで行き、少しでも大宮に近づいておこうかと迷ったが次の宮原駅までは4キロある。 かなり疲れた足でこれといった見どころのない道をあと1時間はちょっとしんどい。 上尾駅に引き返しコーヒーとモンブランで生き返り、ホテルのある熊谷に向かった。