3月3日 大津から草津 桃の節句は春うららの陽気となった。 1月3日に京都から大津まで歩いた続きを今回は 大津の札の辻を出発点として、旧東海道に沿って15.1キロ先の草津を目指す。草津に宿泊し、翌日は中山道を、守山宿、さらに武佐宿へむかって歩き、途中の野洲を終点としようと計画。 京町一丁目の札の辻を10時に出発。旧東海道を草津に向かって歩く。歩行時間、3時間40分とあるから6時間強はかかりそう。 道幅の狭い旧街道は車の通りも結構あるとはいえ、木格子のはいった町屋が所々に残りそれらを見ながらの歩行もまた楽しい。今回も随所にある史跡に立ち寄りながら街道歩きを楽しもう。 ロシア皇太子遭難碑 明治24年、訪日中のロシア皇太子が警官に斬りつけられた大津事件のあったところ。 Ｒ大津駅に至る京町通りをわたり、かつて、大津百町としてにぎわったという商店街を進む。右に滋賀県庁を見てさらに行くと『蹴鞠之神社』と刻まれた碑がある。少し右に登り平野神社の鳥居をくぐる。蹴鞠が奉納されるとあって境内は結構広い。 平野神社 大津の一里塚があったという石場踏切を超えて行くと、木曽義仲の墓所のある義仲寺門前にさしかかる。 義仲寺 木曽義仲が粟津ヶ原で討死（1184）、その側室、巴御前がこの地に草庵を結んだことに始まる。 寺には木曽義仲の墓と巴の塚がある。また、1685年以来、幾度となく訪れ、その遺言によってこの地に葬られた松尾芭蕉の墓がある。境内はせまいとはいえ、木々と苔むした石で繊細な雰囲気に作庭され、芭蕉を始め多くの句碑が建てられている。 「行く春をおうみの人とおしみける」・・・芭蕉が当地を詠んだ句 「木曽殿と背中合わせの寒さかな」・・・又玄の句 中山道はこのあたり琵琶湖のごく近くを通っている。沿道にあった松田魚伊という老舗で琵琶湖の魚で作った佃煮を2パックも購入。やはり近江商人と思えるほどに勧めるのがお上手だ。・・・・ 道の角から、琵琶湖が見えるので行ってみた。河津桜だろうか美しく咲いている。 和田の浜 遠くに比良山だろうか。まだ雪を頂いている。 和田神社 657年創建で、本殿は重要文化財で境内のイチョウは樹齢650年の古木。関ヶ原で敗れた 石田光成は護送途中でこの樹につながれたと伝わっている。 膳所神社 家康が膳所崎と呼ばれる琵琶湖 に突き出た土地に造らせたのが膳所城（浮城）だが、 膳所の鎮守であるこの神社の表門は、膳所城二の丸から本丸への入り口にあった城門を移築したものだという。 晴好雨竒亭祉 膳所の名金工師、奥村菅次の住まい跡に立つ碑、『晴好雨竒亭祉』の傍を通り、ばったん床几のある民家の傍を通る。 ＪＲ石山駅に近い晴嵐商店街、石山商店街を抜けると、瀬戸の唐橋につく。 瀬戸の唐橋 義仲寺で結構ゆっくり過ごし、この時点で予定30分オーバー・・・ 下を流れるのは瀬田川。その河川敷で少し遅い昼食。川面に鴨が浮かぶのどかな風景。（13：35ＰＭ） 建部神社 日本武尊を祀っている。頼朝が伊豆に流される途中で立ち寄り源氏再興の祈願をしたという。武運の神として信仰を集めたとある。 大江千里旧宅のあった野神社のある大江、月輪池の一里塚跡のある一里山、月輪、といった地名が往時をしのばせている 東海道立場跡の碑 背景の枯れた池が月輪池、名から想像すると、この池にうつる美しい月を眺めて旅人たちが休息を取っであろうと想像できる。ちなみに立場とは、休み所といった意味らしい。 萩の玉川跡 鎌倉時代の宿駅、野路村、狼川などを通過、今なお泉の湧きでる『萩の玉川跡』で一寸休憩。 ぶくぶくと水がわき出るのが見て取れる。 平清宗胴塚 人家の奥に『平清宗胴塚』が大切に祀られている。壇ノ浦で捕虜となり鎌倉から京への護送途中で斬首されたという。17歳だったとか〜〜 この街道では神社とともに寺院の数の多さに驚くのだが、人々がいきかった街道には悲喜こもごもの歴史が存在するということか。 旧姥ヶ餅屋跡 見覚えのある絵がかけられている。広重の浮世絵だ。 旧姥ヶ餅屋跡で、矢倉立場との説明があり、立場として姥ヶ餅が売られていたことや、ここでは矢橋湊から大津への舟運があり、「瀬田へ廻ろか矢橋へ出よか、そこが思案の姥ヶ餅」などと歌われた云々といった記述がある。 草津宿到着〜 矢倉橋を渡るといよいよ草津宿の京口に到着。（16：30ＰＭ） 1817年に設けられたという黒門の説明板があった。 立木神社 矢倉の産土神、境内には鹿の狛犬があり、春日大社の流れだという。古木が多く、ただ、樹齢400年のウラジロガシは台風で倒れたということだった。 大田道灌ゆかりの蔵元「道潅蔵」、良弁創建の名刹、常善寺、街道交流館などが立ち並ぶ通りを進むと、 草津宿本陣 内部見学は明朝に.・・・ 追分道標 1816年建立の火袋付き石造り追分道標『右東海道いせみち』『左中山道美のぢ』とあり、 ここが中山道の起点となる。 高札場跡（17：00ＰＭ） 旧草津川は川底が民家の天井より高い天井川で、階段を使って土手の上を進み、小さな木橋を渡るといった「草津川越し」をしていたようだが、現在、川としての役割を終えその跡地を整備中。 中山道は川下に設けられたトンネルを進むことになる。 本日の歩行は32900歩！(自宅からホテル到着まで）　さすがに筋肉痛〜〜 草津追分 宿場よりも高いところを流れる草津川は天井川とも呼ばれていた。 一旦土手に登り、仮橋で渡っていたようだ。追分道標が現存している。↑ （２０１６年現在、土手は工事中であった。） おことわり：浮世絵画像は合同出版「木曽街道六十九次」より。