２０１６年１月３日 三条大橋から大津 日本橋を起点に京へ向かう中山道と東海道は草津で合流し京三条大橋へ向かう。 したがって、西からは草津まで同じ道をゆくということになる。 ぽかぽか陽気のこの日、三条大橋を起点に旧東海道の道案内に導かれながら大津までの約11キロを歩くことにした。調べると歩行時間は３時間３０分となっているが、 立ち寄りや昼食時間を入れ１．５倍を予定した。 三条大橋を渡り、三条通りを蹴上に向かって出発（10：00） 高山彦九郎正之像 三条白川橋では京都に現存する最古の道標を、三条神宮道の交差点からは左遠くに平安神宮の鳥居を、そして大通りの右手には粟田神社の鳥居などを見ながら歩く。 　　 左手に琵琶湖疏水が流れる蹴上で道は大きく右に曲がる。右手に蹴上浄水場を見ながら道は九条山方向へ緩やかに登っていく。やがて右手に九条山登山口が見えるが、道は車の多い府道１４３号を行く。 九条山登山口と地蔵祠 車石広場 車石のモニュメントがある車石広場を過ぎると、分岐があり、案内板に旧東海道と書かれた細い道に入る。 地蔵祠や酔芙蓉の寺として知られているという大乗寺の傍を通り（11：00）この辺りを日の丘峠というらしいが、下って住宅地を抜けると再び車の多い三条通り（府道１４３号）へ飛び出す、 道路向かいに日時計がみえ、右方向へしばらく進むと旧三条通りへと左折する。 　 旧三条通り（旧東海道）へと進むと五条別れの道標。当麻寺、山城駅傍の奴茶屋跡などを通過。冬枯れてほとんど緑はないが京都らしい路地にサルビア！？が美しく咲いているのを見かけほっと一息 六角堂が見えてくる。徳林庵地蔵堂と言い、京への七口に各六体の地蔵を安置し京へ入り込む悪霊を封じたと言われるその一つらしい。ここには蝉丸と高熱がもとで失明した人康親王の供養塔もある。 小関越道標を過ぎ（12：00）歩道橋を渡ると、いよいよ滋賀県だ。 道の左手に門前に車石を展示した寺、閑栖寺がある。境内に入ってみると、荷役用の牛車の通行によってＵ字型にすり減った当時の道路の様子が復元展示されていた 京阪京津線の追分駅を過ぎたあたりに追分道標がある。奈良街道との分岐点だ。しばらく進むと境内に古い鬼瓦を展示した佛立寺を左にみて、さらに道なりに進み名神高速の下をくぐり高速道路と京津線に沿って、大谷へむかう。結構長いが道標がどこにあったのか不明のまま、月心寺や大津そろばんの始祖の碑などを見ながら（13：00）緩やかに登っていく。月心寺の塀越しに苔の美しい藁ぶき屋根が見える。茶室だろうか。ここではこんこんとわき出る走井の姿を残しているとある。旅人の喉を潤したという走井。その水を使って餅がつかれたという。 京津線を渡り旧道に入ると、大谷駅のそばに元祖走井餅本家と刻まれた碑が立っている。 近くに蝉丸神社分社がある。境内でお弁当を広げしばし休憩。宮司さんらしい方から、盲目の歌人であり、琵琶の名手であった蝉丸のことや神社の神輿の話などをうかがう。 峠の茶屋の跡で今は鰻の老舗である「かねよ」の前を通りすぎると、逢坂山関所跡がある。 和歌三首 　　 逢坂の関を歌った、蝉丸の歌のほか清少納言、三条右大臣ら三首が刻まれた石碑も建てられていた。周辺には大津絵販売の地跡や、車石の遺構も残っていて旧道当時の面影をしのばせている。ここから道は国道と合流、蝉丸神社上社前を通り、旧逢坂山隧道の遺構を見て、蝉丸神社下社に至る。この神社門前は京津線が通りぬけていてその際に鳥居が建っている。そして社はかなり老朽化が進んでいる。境内に蝉丸型の時雨灯篭などもあり、芸能の神様でもあるこの社の修復について氏子さんらしい方の話では氏子も高齢化してなかなか寄付も募れないんだとのことだった。 蝉丸神社上社 旧逢坂山ずい道 蝉丸神社下社 もう、大津の市街に入っている。京津線が路面を走る八町通ともいう道沿いに大津本陣跡 (碑が建っているあたりらしい）がある。到着は１４時３０分だった。 そのあと、この旧東海道と北国海道が出あう［札の辻］跡まで歩き、第一回目を完了 大津駅より帰路に就く。 大津 琵琶湖も見え、旅篭が軒を連ねている。大津から逢坂山への坂道途中だという。 荷役用の牛車も描かれている。関清水町というから蝉丸神社下社のあるあたりのようだ。 今は交通量も多くて当時の面影はなかった。 おことわり：浮世絵画像は合同出版「木曽街道六十九次」より。